ここ数日、ウチの近所の道端にユリが大量発生しています。いくらきれいでもこれだけ条件の悪い場所に咲き乱れているとブタクサのように変な外来種じゃなければ、などと疑ってしまいますが、どうやらこれは台湾原産の「タカサゴユリ」という種類で「種子を多く付け、種子は新たな原野を求めて風に乗って各地に拡がる。種子が辿り着いたその地が伐採などで一時的に明るくなると生育して勢力を拡げ、ときに群生して大きな花を咲かせるも、数年経つとまた他の地へ旅立つように去ってゆく。」といったなんとなく儚い花なのだそうです。ということは来年はもう見れないのかも知れません。それでもこのユリの種子はどこかで咲き続けるために旅を続けるんですね。ほとんどの人はこういった変化をなにげなく見過ごしてしまいがちですが、そんな人間の都合による環境の変化の中で生きる植物たちのことをもっと知り、慈しむことも大事なのではないか、と思います。